タンザニア(1)ボディコンシャスすぎるワンピース、リカバリーに成功
世界一周、アフリカ北上をやっております私は、現在タンザニアにおります。タンザニアでやりたいことはまあいろいろあるんですけれども、とりあえずは「サファリ」。タンザニアでのサファリの起点となる町「アルーシャ」へと向かう道の途にあるわけです。
【現在地】ムベヤ(タンザニア)
Mbeya(Tanzania)
【気温】24度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】10タンザニアシリング=約5円
ムベヤの町を散策してみよう!!
昨日、くっそつらい思いをしてなんとかたどり着いたムベヤ。詳細はこちらです。
何かの気の迷いで入った脱力宿「Mkewzulu Hotel」に着くとそっこー爆睡してしまいました。次の目的地「アルーシャ」行きのバスチケは明日の早朝発を買っておりますので、今日は1日「ムベヤ」にてゆっくりしたいと思います。
朝10時起床。とりあえずシャワーをあびて、一息ついて、町の散策と朝ごはん兼お昼ご飯を食べに出かけました。
ムベヤの町を歩いていると、挨拶が「マンボ!! 」になったことに気がつきます。スワヒリ語でハローという意味。
すれ違った若者の集団が口々に「マンボ!! 」と挨拶してくれ、わたしも「マンボ!! 」と返すと、すごく笑われてる!
え、なんで!? 私なんか変なこと言ったかなと思っていると、
「マンボ」と言われた時の返しは「マンボ」ではなく「ポア」だよと教えていただきました。
なるほど。「マンボ! 」「ポア! 」ですね。これはいいことを教えていただきました。タンザニアの初心者かどうかはこれで見分けがつきます。ハンターハンターのグリードアイランドで、とりあえずブックってやんないと的なノリだなあなんて。
町の中はスワヒリ語の看板であふれていて、ああ東アフリカに来たんだなあという実感が湧いてきます。
タンザニアは、スワヒリ語と英語が公用語だと聞いていましたが、ムベヤに関してはほぼスワヒリ語。
商店でお水やタバコを買う時も、道端でオレンジを買う時も、みなさん元気いっぱいスワヒリ語でぐいぐいきますから、わからなくて戸惑います。
たまに英語を話す人もいらっしゃるのですが「なんだ! おまえスワヒリ語話せないのか!? オレが教えてやる! 」と、親切に教えてくれたりします。
なんかみなさん、スワヒリ語を愛してらっしゃる!
なんだろうこの感じ。マダガスカルはフランス語、モザンビークはポルトガル語でした。言葉がわからなくて困ることもたまにはありましたが、地元の方々がその言葉に愛着がある感じはまったく受けませんでした。それってやっぱり歴史を辿ると、西洋から侵略してきた人たちの言葉だからなのかなあ。
でもスワヒリ語は違います。
スワヒリ語は東アフリカ沿岸地域の多くの民族の母語。アフリカの言葉、自分たちの公用語だぜ! ということで、多分に愛着があるのもうなずけます。
さあお昼ご飯だ! ということで、近くの食堂に入って食べたのはこちら。
ビーフの煮込みプレート。
お腹がすいていたので、ライスたっぷりですが、見事完食。美味しくいただきました。これで3,500シリング(約175円)。や、安い!! あとパイナップルジュースを飲んだのですが、これけっこうギリギリでした。腐るギリギリ一歩手前。
ちょっと白濁しすぎかなって。味も、パイナップルの酸味を超えた、ちょっと違う酸味があったように思います。炎天下に長時間ですからね。
しかーし、お腹壊さない系バックパッカーの私は、いまだ一度もお腹をこわすことなく元気に旅を続けています。このジュースも大丈夫でした。
宿に戻る道すがらにも、たくさんの人に「マンボ!! 」と挨拶をされ、こなれた感じで、今しがた教わったばかりの「ポア!! 」を返していると、ひとりの男性に話しかけられます。彼が働いている場所を見ると、後ろにミシンが。
テーラーさんです!!
そういえば、先日マラウィで失敗したワンピース…。さっそくリカバリーのチャンスが訪れました。当時の投稿はこちら。
「これはチャンス!! 」と急いで宿に戻り、ボディコンシャスなワンピースの解体作業。
まず、前身頃と後ろ身頃のダーツをすべて解きます。幸い、つまんで余っていた生地はカットされていなかったので、くびれのないフラットなシルエットになりました。
それから、前身頃と後ろ身頃を縫い合わせている両サイドのステッチを全部ほどきます。こちらも、幸いなことに、たっぷりと縫い代がとってありましたので、ワンピースの身幅を広くすることが可能。
縫い代ギリギリまで使い、身幅を最大限広げた状態で仮縫いし、それを持って先ほど見つけたテーラーさんのもとへ駆け込みました。
絶賛縫製作業中のテーラーさんに「あのー、今いそがしいですか? 」と尋ねます。どう見てもいそがしいのに、ここであえて空気を読まない感じは、会社員時代から変わっていません。
「ちょっと今すぐお願いしたいことがあるんですけどー!! 」
「すぐ取りかかれるかは内容によるけど…」
というわけで説明。
「直線を2本ほど縫っていただきたいのです!!
ほら、こことここ。仮縫いまですませてあって、あとはこの仮縫いのステッチの上をダダーっと縫うだけなんです」
「あーそんな簡単なやつか。だったら今すぐやってあげるよ」
そう言ってワンピースを受け取るとあっという間に2本のステッチをかけてくれました。
さっそくその場で着替えてみると…大満足。
これよこれ!! 私の作りたかったシルエット!!
自分のワンピースが終わった後も作業を見学させていただきまして、ほんとに早いしキレイ。そこ仮縫いしないでいきなり縫っちゃうんだ!? みたいなところも慣れた手つきですんなりこなしていきます。
「すごいですねー! 日本ではミシンを扱える男の人って少ないんですよ。お裁縫ってやっぱり女性の仕事というイメージが強くって。でもアフリカは男性のテーラーさんがほとんどですよね。器用だなあ」
そう言うと、
「タンザニアでも、昔はミシンを扱う仕事は女性の仕事で、男はやらなかったんだよ。でも、テーラーという仕事は、人々の生活に関わる仕事だし需要も高いから、男もできるようになろう! と練習を積んだんだ。俺も初めは何もできなかったけど、今は数時間あれば1着作れるようになった!! 」
写真を撮りながらあれこれ話しかける私の問いにちゃんと答えてくれつつも、その手が止まることはなく、1枚のブラウスがみるみる形になっていきました。
最後にお礼を言っていくらですかと尋ねると、
「うーんたいしたことしてないしなあ、いくらかって言われても…。お金いいっちゃいいんだけど…」とのこと。
しかし、やっていた作業を中断してわざわざ縫ってくださったわけですから「でもあなたは仕事をしてくれたわけですから、お支払いしないわけにはいきません」と言うと、
「うーん、じゃあ1,000シリング(約50円)? 高い? 」とのこと。
「いや、高くないです! ありがたいです」と1,000シリング払いその場を後にしました。
ちなみに、マラウィのムズズのテーラーさんは足踏み式のミシンで、電動ではありませんでしたが、タンザニアのムベヤでは電動ミシンでした。足踏み式は力加減によってステッチの幅が変わり、均一ではなくなりますので、電動ミシンのほうが仕上がりは綺麗だと思います。
リカバリーに成功したワンピースを着用したまま脱力宿に戻ると、宿のスタッフさんたちがすごくほめてくれました。私が
「これタンザニアの生地でしょう!! 素敵よね。マラウィで作ったんだけどね、シルエットが気に入らなくて。でも、直してもらえなくて。そしたらタンザニアのテーラーさんはスッと快くやってくれてほんとありがたいよね。ていうか、マラウィからここに来るバスもまたひどくってさあ」
と、ついつい愚痴ってしまいましたところ、
宿のスタッフさんが、「それは大変だったなあ。よしコーラをおごってやろう! ウェルカムドリンクだ! 」と言ってコーラをプレゼントしてくれました。
久しぶりに髪をほどいたら、前髪がすごい伸びてたー。そんなことより、コーラの瓶も伸びてるー! タンザニアの瓶は長いです!!
出来立てほやほやのワンピース。
やっぱファッションショーは恥ずかしいんですね。
宿に、このワンピースの柄と似た花が咲いていました。
この柄、なんか花火みたい…。
花火大会に行きたい、という内なる欲求、潜在意識がついこの柄を手に取らせたのでしょうか。
日本にいらっしゃるみなさんは当然、行ってらっしゃるんでしょう?? 花火大会とかいうやつ。大切な人と。浴衣着て。わたがし。りんごあめ。金魚すくい。
いや、泣いてないですよ。
私はこのワンピースをながめて我慢することにします。
晩御飯は、焼きバナナ。甘くないバナナは、ほとんど焼き芋と同じ感じでした。後味がちょっとだけバナナの酸っぱさを感じるくらい。ほくほくでおいしかったです。
それでは本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。
コメント4件
あまりに過酷なバスでしたね。これからはなんでもござれ的になれると思って、気分を変えましょう。 ところで、花火のような模様で、涼し気です。浴衣生地にぴったりですね。
パイナップルジュースのくだりで
「なん‥‥‥だと‥‥‥‥?」ってなりました。
すいません、言いたかっただけです。
ワンピース理想のカタチにお直しがきいてよかったですね!とてもよくお似合いです^^