メキシコ(13)話題のテマスカル! 擬似子宮内部で極上リラクゼーション体験
現在世界一周をしております私は、メキシコのオアハカに滞在中。本日は、オアハカで今話題の極上リラクゼーション体験をしてまいりました。その名は「テマスカル(Temazcal)」。古代メキシコ「トルテカ文明」が発祥の、マヤ式サウナのことです。オアハカにきて初めて聞いた不思議なメキシコのリラックス&リフレッシュ方法に興味津々。いったいどんな体験だったのか、本日はその模様をお届けします。
【現在地】オアハカ(メキシコ)
Oaxaca(Mexico)
【気温】22度(昼)
【天気】晴れ
【通貨】1ペソ=約5円
テマスカル(Temazcal)ってなんですか
えー、最初に言っておきますけれども、本日のタイトルがちょっとあれだったかもしれませんが、性的サービスを提供するようなあれではありません。残念ながら。
はぁぁぁあ?! じゃあテマスカルっていったいなんなの。簡単に言いますと、
焼き石で暖められたサウナのようなクッソ熱い岩のドームの中に入り、焼き石に水をかけて水蒸気を大量発生させ、それによってすげー汗かいて毛穴も開いてちょっと美肌になったような気がするし、なんとなくリラックス効果やらデトックス効果やらが得られちゃうかもしれないよ。
というやつです。
発祥はトルテカ文明ということですので、3,000年くらい前なのかなあ。当時は新生児や妊婦の安静・回復のために用いられたそう。また、秋冬は寒いエリアですから、リウマチ、喘息、消化不良など寒冷地ならではの病気の治療などにも利用されていたとか。一部の地域では宗教的儀式や祭祀の際に穢れを祓うための施設としても使用された形跡が残されていんだそうですよ。
そんなガチな伝統療法&儀式であったテマスカルですが、現在はもうちょっとライトでポップな感じに形を変え、手軽に楽しめるリラクゼーション施設として人気を博しているのです。
テマスカルがどういった位置づけなのか、まわりのメキシコ人に聞いてみました。
ホームステイ中のホストマザー「すごーくリラックスできるところよ。学校の勉強で疲れているでしょうから、それを癒してくるといいわよ」
こちらで紹介した、留学中の学校でお世話になっていたぺルラちゃん「私も行ったことあるよ。疲れも取れるし、いっぱい汗をかくから肌がきれいになって傷やニキビにもいいと言われているわ」
ほほう、私のように慢性的な疲れに悩まされる現代人にとって欠かせない存在、テマスカル。
実のところ、住所不定無職のバックパッカーが慢性的な疲れに悩まされているわけがないんですけれども、とにかく流行っているのは本当のようです。
子宮についてのあれこれ
最初にご説明いたしましたが、テマスカルは、岩のドームというか岩釜の中を蒸し風呂にして、その中に入ることで心身ともにいろいろといい効果があるよ! ということなんですけれども、この岩釜が本日のタイトルの由来。
そう、“子宮”の象徴なんです。
岩釜の上には、妊婦さんや新生児、出産を表す人形が飾られています。
妊婦さん。
今にも出てきそうな新生児とそのお母さん。
この窯の中で心身ともにリセットすることで、母の胎内からまた新たな自分として生まれ変わることができると考えられているのです。
えー、話がだんだんとスピリチュアルな方向に進んでまいりました。しかし、正直私はスピリチュアルななんやかんやは9割インチキ臭いなあと感じてしまうタイプですから、このテマスカルもそんなに期待していませんでした。リラクゼーション的な施設もあまり利用したことがありませんし、その効果のほどにも疑問を抱いてしまうようなひねくれ者です。
しかしながら、最近のブログ内容はスペイン語留学の情報多めで、このままだとブログランキングサイト「にほんブログ村」の「世界一周カテゴリー」から出ていけ、みたいな話になるんじゃないかなって。それはまずいと思い、適度にオアハカ観光情報を挟んでいこうと…。要はネタ作りのために中途半端な気持ちで挑んだテマスカルでしたが、
これが超よくって!!
というわけで、話題のテマスカルの一部始終をレポートします(こういうの半信半疑なうえに浅い知識しか持ち合わせていないド素人の視点です。そこらへんご理解ください)。
テマスカルinオアハカ
着替えを済ませ、裸にシーツ的な布を巻きつけただけの格好になります。水着なり替えの下着なりを持っていくのをおすすめします。個人差はあると思いますが、シーツがね、ずり落ちてくるよね。
そうして、さっそく入っていきます、子宮の内部。
入口はとても低くって狭いのですが、腰をかがめて小さくなって入るのも子宮回帰を連想させるため。
内部はこうなっています。
石窯の端に、焼いたアツアツの石がたくさん置いてあるスペースがあります。内部、すでに熱気が充満していて、写真ぼけちゃった。
施術をしてくれる女性とともにこの石窯に入り、まずはうつぶせになります。入口を木の扉で閉めると、密閉された室内の温度がどんどん上昇していくのがわかります。
あー、暑いなあーと思っていいると、女性が焼いた石に水をかけ始めました。ジューッという激しい音とともに瞬時に水は水蒸気となり、石窯内部に充満。そして、ハーブだと思われる葉っぱの束を手に持ち、それに水を付けてあたりにまきちらします。この水もまた瞬時に蒸発。
窯内、まさに高温のサウナ。暑いよぅ、熱いよぅ。
しかし、定期的に女性は焼き石に水をかけ続け、水蒸気の濃度がどんどん高くなってゆきます。それでも女性は休むことなく水を
あっつ!!!!! くっそあっついんですけどちょっとこれ大丈夫!?
途中仰向けになるよう言われ、膝を立てたり、足を上にあげたり、いろんな姿勢を要求されます。このころには、もともと心もとない状態で保たれていたシーツは完全にはずれ、
ふつうに全裸。
しかし窯の内部は真っ暗ですし、いやもし明るかったとしても、もはやそんなことどうでもよくって、とにかく熱いんですけどー。
これは修行か罰ゲーム。
そうして30分が経過したころ、入口の木の扉がノックされ、飲料水とお皿に入ったハチミツが差し入れられました。水をすごい勢いでがぶ飲みし、そして、ハチミツは…
「ハチミツは顔と体に塗ってください」とのことです。
何を意図して、どんな効果があって、ハチミツを塗るのか。そこらへんよくわかりませんでしたが、熱くてもうろうとする意識の中、全裸でハチミツを全身に塗りつけるシュールな光景。真っ暗でよかったです。顔に塗ったハチミツは、目に入るとすごく痛いのでご注意ください。
それからまた窯内で放置され、子宮内部潜入から約1時間。やっと外に出ることが許されました。
子宮がこんなにも過酷な場所だったなんて思わなかったなあ。
香りと煙まみれのセカンドステージ
子宮体験終了後、今度はこれらの道具を用いた施術。(意味ありげな鳥の羽のうちわみたいなものは、最後まで使用しませんでした)
まず、煙がもくもく出ているのは、炭と乳花。インセンスのことですけれども、この煙を体中にかけます。で、ですね、この香り、
なんとびっくりエチオピアの「コーヒーセレモニー」のときに焚くやつと同じなんですねえ…。
なぜか酷似している二つの文化(下はエチオピアのコーヒーセレモニーの写真です)。
テマスカルとエチオピアには何の関連性もないはずですが、とにかくこの匂いはエチオピアで間違いない。
アロマセラピーというよりエチオピア。脳内はエチオピアで満たされてしまいました。香りの力ってすごい。
続いて、ハーブの葉を束ねたものを使って、
ハーブの水を、
体中にふりかけます。
けっこうな力ではたかれます。
最後は、ハーブの束を地面に置き、これを足で踏みつけます。執拗に。何度も。
悪いエナジーを、足踏みすることによって体の外に出す、という意味があるそうです。強く! もっと強く!! と言われて、すごい力でハーブを踏みつけました。
以上が、私が体験したテマスカルの一部始終。
しかーし、これで終わりではありません。実は、本日私が予約したのは、テマスカル60分+マッサージ60分。テマスカルのあとは、こんなお部屋でマッサージを60分ほどやっていただきました。
マッサージのタイプは、しっかりとしたリンパマッサージ。顔から足先まで、リンパ節に沿って揉んでいくことにより、リンパの流れをよくしてむくみをとる効果があると言われています。メキシコで受けるマッサージっていまいちどんなのかイメージがわかず、まったく期待してなかったのですが、すんごい気持ちよかったです。
以上が至福の120分の全貌です。
前半60分、至福じゃなかったよね、と思われるかもしれませんが、あの時の苦しみのおかげで今さっぱりすっきりした気持ちになれていると思うと、あの蒸し窯での臨死体験は必要なことだったんだなぁって(遠い目)。
発汗による美肌・デトックス効果、そしてリンパマッサージによる若干のむくみ解消。このあたりは期待できそうな気がします。ハーブを使ったアロマセラピー効果に関しては、エチオピアを思い起こさせるという点で、ちょっと複雑な気持ちになるかもしれません。
あとは、“心”のほうですが、子宮効果で新しい自分に生まれ変わったかどうかは、正直、ちょっとよくわかりませんでした。しかし、何かしらの作用で、すっきりさっぱりリフレッシュ気分を味わえたのは事実。
テマスカル、なかなかに面白い体験でございました。
ちなみに、一口に“テマスカル”といってもその内容はサロンによってさまざま。プロセスや道具もけっこう違うらしいです。中には、もっと本格的なやつもあるそうで、“シャーマン”を名乗る人が出てきたり、貝や鳥の羽や葉などをまとったスピリチュアルな雰囲気のいでたちの人が施術してくれたり、呪文のような歌を唱えたり、バリエーション豊富。興味がある方は、いろいろ行って試されるのもよいんじゃないですかね。
【料金】
- テマスカル(60分):300ペソ(約1,500円)
- マッサージ(60分):350ペソ(約1,750円)
【予約方法】
- TEL:521-2071
- TEL:951-194-35-37
こちらに電話をして予約を入れます。予約がないと厳しいんじゃないかなあ。ただし、スペイン語オンリーですので、高難度の場合は英語を話せる誰か(ホテルの人とか)にお願いするのがよいかと。
【オアハカからの行き方】
Etlaという地域のSan Sebastianという村にありまして、オアハカから約20分。場所はこちら。(17.167754 -96.784735)
住所:MORELOS No.4 SAN SEBASTIAN ETLA
“コレクティーボ”と呼ばれる乗り合いタクシーで行きます。乗り場はオアハカの町の南にある2等バスターミナルの近く。地図はこちら。(17.061158, -96.734336)
赤、または赤×白のコレクティーボが停まっていますので、ドライバーさんに「San Sebastian! Etla! 」と聞いてまわると、みなさんこころよく教えてくださると思います。
料金は事前交渉が必要で、私が行ったときは片道12ペソ(約60円)でした。帰りは、サロンの目の前の道路をオアハカ行きのコレクティーボがたくさん通りますので、それをつかまえます。
それでは本日はこれにて終了。最後までお付き合いくださってありがとうございました。
今日は、初めてコメントさせて頂きます。
文章のセンスが凄く良くて、笑いながら読ませて頂いています。
どうか、これからも良い旅をお続け下さい。
さて、これはもしかしてなのではっきりと言えないのですが、
保険会社に勤めていた経験から少しだけ・・・。
前回の帰国前に入っていた保険会社には連絡されましたか?
普通、海外旅行傷害保険は帰国後もその旅行が原因の疾病が
帰国後に発覚した場合、ある一定の期間は担保になっていることが多いので・・・。
もし、医療費のレシートを保管、もしくは請求できるのであれば、
前回の保険会社に一度ご連絡なさってみては如何でしょう。
もし、何かお手伝いできれば幸いです。