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2016-05-22

マダガスカル(19)必見! タクシーブルース攻略法と野宿をしない選択

ディエゴスアレス_アンタナナリボ_タクシーブルース

現在マダガスカルの首都アンタナナリボを出て、北の端「ディエゴ・スアレス」へと1,000kmの移動を終えました。スタートは、南の端「トゥリアーラ」でしたので、総移動距離2,000kmとか笑えます。

【現在地】ディエゴ・スアレス/別名アンツィラナナ(マダガスカル)

Diego-Suárez(Madagascar)

【天候】晴れ

【気温・湿度】36度・40%(昼)

【為替】100マダガスカルアリアリ=約3.4円

本日乗車するのは近未来感のあるシルバーボディ

昨日の投稿でご紹介した乗り合いタクシードライバーのアリータと別れ、再びぼっちになった私は、シルバーのカラーリングと、ちょっとレトロな車体がかっこいい「Besady号」に乗車。

ディエゴスアレス_アンタナナリボ_タクシーブルース

ディエゴスアレス_アンタナナリボ_タクシーブルース

こちらの地図でいうと、後半の1,000kmを爆走します。

トゥリアーラからディアゴスアレス

過積載で有名な「タクシーブルース」というマダガスカルの定番長距離移動バスですが、本日は、横に5人掛けの席に、ちゃんと大人5人。すごいじゃん、ちゃんと定員通りじゃん、と思いきや、

そこに子供2人がプラスされます。

結局ギチギチ。しかし、車体の横幅に対して複数の人間のおしりがミラクルフィットする感じが、タクシーブルースの醍醐味です

1,000kmとかいう異常な距離は、どう考えても長期戦になりますから、さっさと寝るが吉。ということで、16:20発車。直後、就寝

再び起きると、なぜかタクシーブルースが停車しています。時間は17:00。出発から1時間もたっていません。これたぶんまだアンタナナリボ市内から出てすらいないですね。

はい。いきなりタイヤが故障。

ディエゴスアレス_アンタナナリボ_タクシーブルース

これもまたデフォルトです。そういう仕様ですから、あわててはいけません。

今までの私なら、「えー、出発までに時間あったじゃん。そういうの事前にやっとこうよ」ってなっていたと思います。

しかしこれがマダガスカルに2、3週間もいると、「真っ暗になってから、どこだか分かんない山中で壊れるよりよっぽどいいよね。まだ少し明るいタイミングで、しかも町中で気づいてよかった。ドライバーさんあんた偉いよ。よくやったよ」と思うようになります。

無事に修理が終わり、再び出発したのは18:00。結果的に、ここから約32時間かかって、目的の町「ディアゴスアレス」に到着するわけですが。もうね、今が何月何日で、何時間乗車しているのか、とか、私はいったいどこへ向かっていて、何のためにここにいるのか、とかいろいろなことがさっぱり分からなくなってきます

とはいえ実はけっこう嫌いじゃないタクシーブルース。しかしまあ32時間分の風景の写真とかを延々掲載しても、たいしておもしろくないと思いますので、ここ数週間で培った「タクシーブルースに乗るときのポイント」をご紹介したいと思います。

もしかすると、マダガスカルに行かれるご予定のない方は、これもまたおもしろくないかもしれませんが、人生何が起こるか分かりません。万が一の時に備えておいて損はないのです。この先何かの際に急にタクシーブルースへの乗車を余儀なくされたとき、きっと役に立つと思います

必見!! タクシーブルース完全攻略メソッド

■バックパックは屋根の上だということを念頭に置いて

・ザックカバーのありがたみ

できるだけ強度の高いザックカバーを選び、外れないようにしっかりと止めておきましょう

ディエゴスアレス_アンタナナリボ_タクシーブルース

出発前の私は、ザックカバーの用途がよく分かっておらず、てっきり雨除けのために役立つものなんだろうと思っていました。だからとりあえず覆えればいいんでしょと、ものすごく軽視し、amazonで最安値のものを購入しましたが、カバーは完全に汚れ防止これがないと、一瞬でバックパックが泥・土・埃まみれです

あと、カバーをくるっとひっかけてかぶせるだけでは全然意味がありません

マダガスカル_タクシーブルース

とりあえず、なんでもかんでも屋根の上にくくりつけますから、しっかり固定しないと、目的地に着くころには無くなっていると思います

・食品の保護

屋根の上はかなりの高温になることが予想されますので、自炊やシェア飯用に持参した食品類は、バックパックから出して車内に持ち込みましょう。じゃないと、常温保存可のものでも、食べられなくなる気がします

■車内で快適に過ごすために(5月の気候対応ver.)

・とりあえず毛布

何はともあれ、毛布が1枚あると非常に便利です。長時間座っていると必ずおしりが痛くなりますので、クッションがわりに使えます。私は最初、毛布の汚れ防止のために、レジャーシートにくるんで使っていましたが、途中でレジャーシート素材のおしゃれなバッグを購入し、これに毛布を入れてクッション代わりにしております。

タクシーブルース_乗車のコツ

また、夜は気温20度を下回ったりして、けっこう寒くなりますので、毛布にくるまっているとあたたかいです

さらに、どうしても隣の方との密着は避けられませんので、毛布を使って、物理的かつ精神的なバリアを張るのもおすすめです。これがあるだけで、安心感が格段にアップします。毛布最強

・気温に合わせて脱ぎ着できるアウター

現地の方も、みなさんジャンバーやパーカーなど、着たり脱いだりできる羽織りものを必ず持っていらっしゃいます。首都のアンタナナリボは、高地にありますので、5月の夜はかなり気温が下がります。北部のノシベや、南部のトゥリアーラ、モロンダバなどから戻って来られる際は、近付くにつれ徐々に寒くなることが予想されますので、ぜひ持参してください。

ただし、その羽織りものを洗濯すると、想像以上に汚くなっていることを忘れないでください。洗えて乾きやすい素材がよいと思いますので、ユニクロのウルトラライトダウンとかは避けた方がいいかもしれません

・周囲の音をシャットアウトできるイヤホン

タクシーブルースの車内は、高確率でマダガスカルミュージックが大音量で流されています。夜だろうとおかまいなしですので、ぜひご自身のイヤホンを持参していただき、自分だけの世界に没頭することをおすすめします

・なにかと使えるガムテを用意

タクシーブルース_乗車のコツ

タクシーブルースという乗り物は、かなり長期にわたって使用されている場合が多く、隙間風や、隙間どころか窓がちゃんと閉まらないとか、なぜか窓に穴が開いているとか、全然あります。夜間、寒さを感じる場合は、その隙間をガムテープで塞いでしまえばOKですので、これは便利。バッグの中にいつも入れているような適当な何かにぐるぐる巻きつけておくとよいですね

さらに、ごくまれに、このような意味不明の針金なんかが出ている場合があります

タクシーブルース_乗車のコツ

これもまた、上からガムテープを貼ってしまえばひっかかったりしなくなりますので◎。

タクシーブルース_乗車のコツ

・水とビスケット

タクシーブルース_乗車のコツ

完全な非常食ですが、これらはかなり心の支えになります。また、近くにお子様が座ったときはコミュニケーションツールのひとつとして非常に効果を発揮します

だいたい一袋、数十円で購入できますので、ぜひ準備しておかれるとよいと思います

■座席の選び方について

過去にマダガスカルを訪問なさった方のブログを読むと、断トツで人気なのが「ドライバーさんの真後ろの窓側の席」。この席は、現地の方からも人気のようで、希望したとしてもなかなかゲットすることができません

しかし、このたび私は運よくこの神席をゲットすることができましたので、感想を述べますと、

「足が伸ばせる。車から降りなくてもタバコが吸える。最高」

タクシーブルース_乗車のコツ

仰向けで足を伸ばして普通に寝られますから。快適すぎてびっくりしました。

私は身長160cmのいたって標準的な体型ですが、タクシーブルースに乗車する際はつくづく女性でよかったなあと思います。男性は、もっと背も高くガタイもよいと思いますので窮屈さを感じざるをえないかと

その次に人気なのは、各列の窓側の席。新鮮な空気が吸えますし、たまに、通過する村で何か特産品を買えるチャンスがあります。例えばマンダリン

タクシーブルース_乗車のコツ

タクシーブルース_乗車のコツ

あと、バナナとか。

マダガスカル_タクシーブルース

マダガスカル_タクシーブルース

これはかなり楽しいので、1度はチャレンジなさることをおすすめします

■食事、トイレについて

・世界共通の“食べる”ジェスチャー

食事は、適当な時間にバスが停車して食事休憩をとってくれますのでそれに合わせて何か食べてください。言葉が分からないと、ちょっとした荷物の積み替え程度の小休止なのか、ごはんを食べてもいい休憩なのかわからないと思いますが、たいてい親切なドライバーさんやほかの乗客の方が、“食べる”ジェスチャーをして教えてくださいますので、心配ないと思います

・トイレが近い方は苦労するかも

日本で目にするような清潔感たっぷりのトイレは存在しません。女性におすすめなのは、ガソリンスタンドのトイレ(まだきれいなほう)か、草むら(いっそこっちのほうがきれい)だと思います。田舎のほうに行けば行くほど、東アジア人は、どうしても目立ちます。普通にしていても、注目度大。それがね、草むらでトイレとか、正直、とんでもなく注目の的です

大勢に見られながら用を足すっていう、ちょっとさすがにそこまでの羞恥プレイがお好みの方は、そう多くないと思います。できることと言えば、暗くなってからのタイミングを狙う、とか、バスを真っ先に降りて全速力で可能な限りバスから離れて用を足すとか、それくらいでしょう

ちなみに裏技として、「トイレに行かない」という選択肢もあります。ある程度、膀胱のトレーニングが必要だとは思いますが、私に関して言うと、20時間くらいなら全然余裕です。水飲んで、コーヒー飲んで、コーラ飲んでもわりと平気。このたびの32時間移動では、30時間でギブアップでしたが、これはなかなかがんばったと自分でも思います。こんなチートをやってのける方はそう多くはないと思いますが、これだとトイレの心配は不要

私の体は何かおかしな方向に進化しようとしているのかもしれません。

■タクシーブルースに乗車する際のモチベーション

・大切なのは「目的地まで連れて行ってくれるかどうか」

とにかく、これさえ叶えられるのであれば、あとは何でもかまいません、くらいの気持ちで乗車するのがベストです。安眠や快適な乗り心地なんかを期待すると、ストレスしかたまりませんので、その点をしっかり頭に入れておいてください

また、タイヤのパンクやエンスト、やたらいろんな村を経由して行く便に乗ってしまった場合など、想定していた時間をかなり超過してしまう場合があります。しかし、このへんはすべてデフォルトで、そういう仕様になっているようですので、だまって受け入れるのが基本。何時間かかろうとも、「たどり着かない目的地はない」と自分に言い聞かせて、孤独な旅を乗り切ってください。

ちなみに、マダガスカルはフランス語なので、基本的に英語はあまり通じません。トイレに行きたいだとかお腹がすいただとかを伝えるだけでもけっこう困難。そんな時におすすめなのが、かつて私が紹介したこちらのグッズ

まだ使ってみたことはありませんが、一応ちゃんと持参しています。これさえあれば怖いものなしですね

上記のように、タクシーブルースを快適に乗りこなす術を身に付けた私は、32時間約1,000kmの旅もなかなか楽しむことができました。そして、最終目的地「ディエゴ・スアレス」に到着したのが朝の2時

移動情報について詳細をまとめたページはこちらです。

■NO MORE 野宿

ご存知かもしれませんが、朝の2時って、外はまだ真っ暗なんですよ。実は私は先日、このような暗闇の中、勢い勇んで向かった目当てのホテルが閉まっているという憂き目にあい、想定外の野宿を余儀なくされてしまいました

それをこのように、

おもしろおかしくブログに書いたところ、Macとか扱っちゃうクリエイティブな職業のくせにやたらと常識力の高い元同僚から愛のあるお叱りを受け、さすがにもうそういうことはやめようと誓ったばかりです。ということで私がとった行動は、

断固タクシーブルースから降りない

という選択。

他の乗客はすでに全員降りていて、迎えに来た人たちと一緒に去って行きました。車内に残されたのは2人のドライバーさんと私だけ。フランス語交じりの片言の英語で「家族とか友達は迎えに来ないのか」と聞かれますが、

そんなもんここにはいません。

お気に入りの毛布にくるまって、絶対に降りないぞという強い意志を表明しつつ

「ノーフレンド、ノーファミリー」と繰り返す薄汚れた旅行者。

家出してきて絶対に帰らないと言い張る子供と同じレベルで手に余りすぎる私を前にして、仕方なく、明るくなってタクシーが走り出すまで寝かせてくれることになりました。どっちにしろドライバーさんは明るくなるまでここにいて、タクシーブルースの屋根に積まれた大量の荷物をどこかに届けなければなりません。だから、私がいてもさほど迷惑じゃないハズ。

3人で広々とタクシーブルースを使い、5人掛けの横並び席にそれぞれ1人ずつ横になり。夜明けを待ちました。こんな贅沢な使い方ができるのも最初で最後だろうなあ。6時くらいになると明るくなり、ドライバーさんがどこかからタクシーを連れてきてくれて、ようやくタクシーブルースを降りる私

タクシーブルース_乗車のコツ

ほら、私、今回はちゃんと野宿せずにがんばれましたよ。

こうしてお目当ての宿にチェックインし、総距離約2,000km、約3日にわたるあまりに長すぎるタクシーブルースの旅は終わりを告げたのです。

ディエゴスアレスの宿詳細はこちらのページに書いています。

明日からは、この新しい町「ディエゴ・スアレス」での出来事をお届けすることになると思います。

本日も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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