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2016-09-14

エチオピア(27)ドルゼ族の暮らしを体験! よりよい旦那をゲットする秘訣!?

ドルゼ族_エチオピア

現在世界一周をしておりますわたくしは、アフリカ大陸にあるエチオピアという国に滞在しております。現在地は、南部の大きな町アルバミンチの近くにあるドルゼという村。ここに暮らすドルゼ族の人々の暮らしを体験しているところでございます。

【現在地】ドルゼ(エチオピア)

Dorze(Ethiopia)

【気温】25度(昼)

【天気】晴れ

【通貨】1ビル(ブル)=約5円

昨日の続きとなります本日の投稿は、ドルゼ族の方々が暮らすお宅へおじゃまして、どのような暮らしを営んでいらっしゃるのか拝見しみよう! という内容です。ちなみにこの日は、ドルゼ村から約7kmほど北にあるチェンチャという町の火曜マーケットを訪問いたしました。そのあとやってきましたのがドルゼ村。

村の中心から歩くこと10分。まず見えてくるのは竹藪です。

ドルゼ_エチオピア

ドルゼ族の人々にとって「3大欠かせないもの」のひとつが、。それからフォルスバナナ(偽バナナ)、そして、コットン(綿)。

竹藪を抜けたところにあるのが、ドルゼ族のおうち。

img_8382

見た目からしてすでに特徴的なこちらのお家は、笹で作られておりまして、「象」を模しております。もともとはここから南のエリア「オモバレー」に暮らしていたドルゼ族は、象を狩って生きていたそう。しかし、オモバレーから象は姿を消し、さらに彼らは北部へと移動してきました。そこで、象のことを忘れないように、お家を象の形にしているそう。なんだか、分かるような分からないような…。

正面のドアがある部分が鼻、上部左右に付いた窓が耳を模しています。

ドルゼ_エチオピア

高さ約12mもありまして、かなり大きいんです。このお家は、ムーバブルハウス。つまり、移動することができるほどの軽さで、移動の際は大人16人で運ぶそう。

室内は思ったより広々としています。天井が高いからですかね。手前がベッドルーム。奥にキッチンがあり、ファイヤースペースも室内にあります。

ドルゼ_エチオピア

そのため、換気のために窓が必要なのです。

“ドルゼ”とは、現地の言葉で「ウィーバー(weaver)」つまり、機織りをする人のこと。古くからコットンの糸を使った機織りをして生計を立ててきたのがドルゼ族。洋服やインテリアとして使われる美しい織物を得意とする民族で、彼らの作る布はエチオピア全土で使われています。美しく丈夫なコットンの布を作ることを生業としておりますから、広い農地やたくさんの家畜を持っているわけではありません。そんなわけで、少ない家畜は、家の中で飼っています。

そして、育てている植物と言えば、庭にあるエンセーテ、別名フォルスバナナ(偽バナナ)の木。

ドルゼ_エチオピア

この木はドルゼ族にとって、日常生活に欠かすことのできない非常に大切な木なのです。葉の見た目がバナナに似ているのですが、実は成らないので「偽バナナの木」と呼ばれています。

ドルゼ族が暮らす高地では、標高が高すぎるため、エチオピアの代表的な主食「インジェラ」のもととなる「テフ」という植物が育ちません。では、彼らは何を主食にしているかといいますと、それがこちらのフォルスバナナ(偽バナナ)。

えー、こんな植物が主食!? なんて思われるかもしれませんが、これがけっこうイケるんです。

まず、使用するのは、茎の部分。現地の言葉で「コチョ」と言います。これを、こんな風にそぎ落とし、硬い繊維の部分を取り除きます。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

下に溜まった部分を食べます。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

それを、葉の部分で丁寧に包み、3ヶ月間、地面に掘った穴に埋めるのです。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

それがこちら。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

あぁ…発酵した匂い。サワーな感じですね。しっかりと何重にもカバーして、虫や雑菌がつかないようにしています。

さあ、それではここから、お家の中に案内していただいて、ドルゼ族特製偽バナナの茎ピザのクッキングを始めましょう。

用意するもの:3ヶ月間地面に埋め終わった後のコチョ(偽バナナの茎)

これを、室内にあるファイヤースペースで焼いていきます。まずは、残った繊維を細かくするために、カット。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

そして、フライパンに乗せ、焼いていきます。焦げ付き防止のために、偽バナナの葉を敷くことも忘れずに。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

蓋をして表裏しっかり焼いたら完成です!!

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

こちらが「偽バナナの茎ピザ」。

ドルゼ_エチオピア_エンセーテ_偽バナナ

おかしなネーミング、そしてこの見た目。正直言ってあまり食欲をそそる感じではありませんが、さっそくいただいてみましょう。

このピザは「コチョキタ」と呼ばれ、マー(オーガニックなハニー:写真右)とダダ(スパイシーなソース:写真左)を付けて食べるのがドルゼ流。

お味のほうは、発酵させただけあって、酸味はすごくある。でも、もちもちしておいしい!! 外はカリッと、中はモチッっと!!

なんかこう、生臭い雑草っぽい味がするのかなあと思っておりましたが、全然そんなことはなく、確かに「ピザ」という表現で正解! スパイシー少な目、ハチミツ多めで食べるととてもおいしいんですけれど、これはもしかしてハチミツがおいしいのかなあ。しかし、あの植物からこんな食べ物ができるなんて驚きです。

茎ピザと一緒に提供されたのが「アレケ」というローカル酒。アルコール度数がかなり高くって、残念ながら、私は全然飲めませんでした。

このあとは、待ちに待った、機織りの現場を見せていただきましょう。

ドルゼ族に学ぶ織物技術(ちょっとかじっただけ)

ドルゼ族の伝統として、機織りをするのは男性の役目。それに使う糸をつむぐ(スピニング)のが女性の役目。男性は12歳になると父親から機織りの技術を習いはじめ、女性は9歳になるとスピニングの技術を母親から習い始めます。

村の中の一軒のお宅に案内されて中に入ると、そこには大きな機織り機が。男性が織るところを実演してくださいました。

ドルゼ_エチオピア_機織り

細い糸を右から左へ、左から右へ、行ったり来たりさせながら、少しずつ布ができていくのは、見ているだけで楽しい。

ドルゼ_エチオピア_機織り

パタン、パタンという軽快な音が心地よく響きます。

ドルゼ_エチオピア_機織り

続いて現れた女性が、糸をつむぐところを見せてくださいました。

ドルゼ族_エチオピア

完全手作業。ふわふわとした綿花を左手に持ち、右手に糸を巻き取るスティックを握っています。

ただクルクル巻いているだけだと思っていたのですが、近くで見ていると、その工程は2種類ありました。まず綿を少しずつ糸状にしていくために撚る作業。スティックの先端のかぎ針上になったところに糸をひっかけます。

ドルゼ_エチオピア_機織り

ある程度の長さの糸ができたら、それをスティックの根元側に巻き取って行くのです。

ドルゼ_エチオピア_機織り

この女性の手さばきがすごくって、それはそれは早い!! スティックを高速回転させていますから、ブーンブーンという風をきる音がするんですねえ。

ガイドさんが言うには「スピニングの技術が高い女性ほど、グッドハスバンドをゲットできる」んだそう。

確か、先日訪れたアリ族村では「インジェラを上手に作れる女性ほど、グッドハスバンドをゲットできる」とのことでした。料理よりお裁縫が得意な私としては、アリ族よりドルゼ族になったほうが勝算があるんじゃないかなあ、なんて…。

ではさっそくチャレンジ!!

ドルゼ_エチオピア_機織り

うわぁーこれ難しいね。簡単そうに見えたんだけどなあ…

綿はうまく糸状にならずすぐに切れてしまったり、逆に塊になってしまって、非常にいびつな糸が出来上がってしまったり。

幼いことから鍛えてきただけある、熟練の腕に完敗。確かにこれが一人前にできるようになれば、きっとグットハスバンドをゲットできるのでしょう。

しかしドルゼ族女性として生きていくのはなかなか大変でして、ドルゼ族の男性は、機織りと農業しかしないらしいのです。ほかの仕事はほぼほぼ女性が担っています。出来上がった重たい布を背負って市場まで歩き、売ってくるのも女性の仕事ですし、森で木を切ってくる、水を汲んでくるなどのガテン系重労働も女性。

力仕事、けっこう得意ではありますが、なんだか大変そう…。

ちなみに、私が首に巻いているストールは、このドルゼ村の近くで購入したもの。カラフルでキュートなデザイン、そして肌触りの良いコットンですから、使い心地満点。さすが、ドルゼの品は違います。

あと、昨日から言ってますけども、この髪型については触れないでください。みなさん「変なのー」と思われるかもしれませんがね、これが地元の方々からの評価、すこぶるいいんですよ!! 詳細を知りたいかたはこちらをどうぞー。

ローカルガイドさん、入村料、フォルスバナナ(偽バナナ)のピザ体験、ウィービング体験、すべて込みで200ビル(約1,000円)。言い値なんで、実際いくらが正規価格なのか、そもそもそんなものあるのか分かりません。

ドルゼの村訪問が終わったところで、恒例となりました「各地のハニーワインにチャレンジしてみよう! 」のコーナー。

【ドルゼ(Dorze)のハニーワイン】

エチオピア全土で飲まれているハチミツを使った甘くておいしいお酒「ハニーワイン」。それぞれ地域ごとに味や調合に違いがあり、楽しみ方もいろいろ。お酒に弱い私でも飲める、アルコール度数低めのものが多いので、訪問先の各町でチャレンジしてまいりました。

その締めくくりが、本日のドルゼ村。

さあ、出てきたハニーワインをいただきましょう。

ドルゼ_ハニーワイン

あー程よい感じ!! ハチミツとアルコールの配合が、グッドなバランスな気がします。

お酒あまり強くないので、私としてはもっとハニー多めでもよいのですが、アルコールを楽しみたい方からすると、たぶんこの配合がベストなんじゃないかなあ。ハニーのお味も楽しめ、しっかりお酒感もある。ドルゼのハニーワインはなかなかクオリティ高い気がします。

とここで、かなりのスローペースでハニーワインをたしなみ、なかなかグラスを空けられない私を見て、お店の人が持ってきてくれたのが「ブルズ」という飲み物。写真の左が「ブルズ」で、右は通常のハニーワイン「タジ」。

ドルゼ_ハニーワイン

見た目はほとんど同じなのですが、実はこの「ブルズ」、ハニーワインの「ハニー」の部分だけの飲み物なんです。アルコールは一切入っていません。つまりただただ甘くて蜂蜜味のするジュース。

これがとてもおいしくって。お酒じゃないという安心感。ハニーワインには申し訳ないですが、私はこっちのが好きだなあ。ドルゼで初めて目にしましたので、どこのワインバーにも置いてある、というわけではないと思いますが、もしお酒が苦手な方は「タジ(ハニーワイン)」ではなく「ブルズ(ハニー水)」にチャレンジしてみてください。

ちなみに、ドルゼの乾杯の方法は以下の通り。

「ヨヨヨヨヨヨォ! 」(代表者1人)

「ヨーオッ!! 」(みんなで声を合わせて、グラスも合わせる)

とても不思議な乾杯。一本締めみたいなノリでやると良いでしょう。

こうして、ドルゼ村を満喫し、昼間っからハニーワインを堪能した私は、アルバミンチへと戻ることにします。来るときは運よくバスがありましたが、帰りのバスがあるのかどうなのかさっぱり分からない。地元の方に聞いても分からないとおっしゃる。どうしたもんか、と思っていると…

なんとガバメントカーがやってきました。ガバメントカーとはつまり、政府の役人、公務員さんを乗せた車。スペースに空きがあれば、一般人のヒッチハイクにも快く応じてくれる、エチオピア南部のありがたい交通手段です。ドルゼからアルバミンチまで、25ビル(約125円)。

長いようで短かった、でもやっぱ長かった、エチオピア南部「オモバレー」周辺の少数民族さん巡りの旅は本日で終了です。明日は1日アルバミンチでゆっくりしたいと思います。私は疲れました。

本日も最後までお付き合いくださってありがとうございました。それではまたあしたー。

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