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2017-02-25

キューバ(43)サンタ・イフェニア墓地にてフィデル・カストロ氏のお墓参り

サンタ・イフェニア墓地

現在キューバを旅している私は、サンティアゴ・デ・クーバという町におります。ここは、首都ハバナに次ぐ、キューバ第2の都市。ここへ来た第一の目的は、2016年11月に亡くなられたフィデル・カストロ氏のお墓参りです。本日はその様子をお届けします。

【現在地】サンチアゴ・デ・クーバ(キューバ)

Santiago de Cuba(Cuba)

【気温】30度(昼)

【天気】晴れ

【通貨】1CUC=約115円、1CUP=約4円

えー、最初に言っとくと、フィデルカストロさんにものすごく思い入れがあるかっていうと、そんなでもありません。むしろ彼が長年最高指導者として治めていたこの国に、そうとうコテンパンにやられており、身も心もぐったりしている今日この頃です。ですから、彼のお墓参りに行く理由は、「せっかくこのタイミングでキューバに来たんだし」という、非常にゆるめの理由。

おまけに、キューバ旅行のハイライトとなったラスパランダスも終わり、消化試合感を前面に押し出した、惰性・慣性のみで旅するサンチアゴ・デ・クーバ編でございます。

サンタ・イフェニア墓地に行ってみよう

夜行バスでここサンチアゴ・デ・クーバに到着したのが午後13:25。宿に到着早々、彼のお墓参りへと繰り出しました。

フィデル・カストロさんのお墓があるのは、サンタ・イフェニア墓地というところ。場所はこちらです。

キューバ建国の父「ホセ・マルティ」のお墓があることで有名なこの墓地は、彼以外にも、ラム酒で有名なバカルディの創設者エミリオ・バカルディや、サンティアゴ・デ・クーバにあるモンガダ兵営を襲撃した際に亡くなった革命軍のメンバーのお墓があることでも知られています。

そんな墓地に、新たに眠ることとなった「フィデル・カストロ」。

先日ハバナで買ったキューバの新聞によりますと、カストロさんの遺骨は、ハバナをスタートし、彼のゆかりの地を行脚しながらここサンティアゴ・デ・クーバまで運ばれました。到着したのは12月3日。

キューバ_新聞_カストロ

キューバ_新聞_カストロ

そして、12月4日にこの地で国葬が行われた後、埋葬されたのが「サンタ・イフェニア墓地」です。

町の中心からは、タクシーやBICIタクシー(人力車)でも行くことができます。最初にBICIタクシーのドライバーさんに値段を聞くと、「1CUC(約110円)」とのこと。思ったより安いので「ほんとに? 」と聞くと「いや、やっぱ2CUC(約220)、あ、3CUC(約330円)」とどんどん値上がりし、イラッとしたので、結局歩いていくことにしました。苦手だなーこういう人。

ちょっと遠いですけど、歩いていけないこともないです。

ここサンティアゴ・デ・クーバは、キューバ革命発祥の地。そしてカストロさんのお墓があることもあり、やはりカストロさん推し。

サンチアゴ・デ・クーバ

そこここで、カストロさんの看板やポスターを見かけます。

サンチアゴ・デ・クーバ

サンチアゴ・デ・クーバ

YO SOY FIDEL.は、直訳すると、“私はフィデルである”。つまり、私は、フィデルの同志であるとか、信徒であるとか、そのような意味だと思われます。

サンチアゴ・デ・クーバ

長年の間、事実上の独裁体制を敷いてきたカストロさんですが、個人崇拝を嫌い、私利私欲に安易に振り回されない強固な信念を貫いた人。

独裁政権の指導者にありがちな、自身のモニュメントや絵画を嫌い、自身が美化されたり偶像化されることをとことんよしとしなかったそうです。ですから、自身の顔をTシャツにプリントされることも非常に嫌悪していたそう。町中に溢れているTシャツが、ほぼ100%チェ・ゲバラさんで、カストロさんのTシャツをほとんど見かけないのもそのせいなのかもしれません。

それから、これまた独裁政権の指導者にありがちな、「国民の生活は苦しいのに私利私欲を肥やし自分だけはいい暮らしをする」的なことに一切手を染めなかったことでも有名なカストロさん。

政治のことはまるで分っていない私ですから、そのあたり何もコメントできませんが、彼の人となりだけを聞くと、なんだかとても好感が持てます。

「自身の死後、さまざまな機関や広場、公園、道路などの公共施設に自分の名前や肖像は使用されたくない」「記念碑や像といった同様の形態のものもあってはならない」という遺言を残しているにも拘わらず、それでもこれだけ彼の写真が掲げられていることから、国民からずいぶんと愛されていたんだなあと感じます。

ちなみに、カストロさんの銅像や肖像画を公共の場に飾るのを禁止する法案は、2016年12月27日に開催された国会で上程・可決されたそうです。(ただしフィデルを題材にした映画や著作や音楽などの芸術作品の制作や、各地の施設等に既に飾られている写真については規制対象とはしない)。

“独裁者”といっても、いろんなパターンがあるんだなあ、なんて考えながら歩いていくと、見えてきました、「サンタ・イフェニア墓地」。

サンタ・イフェニア墓地

まずはひときわ目立つこちらの建物。

サンタ・イフェニア墓地

これがホセ・マルティのお墓があるドーム。

サンタ・イフェニア墓地

内部にはホセマルティの石像が建っています。

サンタ・イフェニア墓地

周囲には、スペイン統治時代の6州を表す6本の柱。そして、その下に、キューバの国旗に包まれたお墓があります。

サンタ・イフェニア墓地

地下部分の壁にはラテンアメリカ諸国の国の紋章が飾られており、それらの国の土も櫃費の中に入っているそうです。

白い墓石が整然と並ぶ墓地は、雰囲気も明るく、さらに周りにはたくさんの木やお花が植えられておりますので、とてもクリーンで静謐な空気が漂っています。

サンタ・イフェニア墓地

想像していたよりも、全然重苦しくないんですねえ。

サンタ・イフェニア墓地

そして、入口からほど近い場所に、とても新しいお墓があります。それが、フィデル・カストロさんのお墓。

サンタ・イフェニア墓地

上でご紹介したように、自身の肖像や銅像を作ることをよしとしなかったカストロさんですから、お墓のまわりには、銅像はもちろん、彼の外見を表現するようなものは一切なく、『FIDEL』といういたってシンプルな名前表記のみ。

数人の警備員さんが立ち、厳重に警備されている一角の中心にそのお墓はあり、ここだけは、手を合わせて拝む際にもかなりの緊張感がありました。

サンタ・イフェニア墓地

夕方で、クローズ間近だったためか、観光客も少なく、とても静かな場所だなあという印象を受けました。(クローズは17時のようでした)

帰りに見かけた住宅。

サンタ・イフェニア墓地

キューバでは逆に珍しく感じてしまう、コロニアルではない建物。デザイナー住宅的なあれでしょうか。

空を見上げると、未確認飛行物体。

サンタ・イフェニア墓地

何だろうと思っていると、お子様たちが凧揚げをして遊んでいらっしゃいました。

サンタ・イフェニア墓地

サンチアゴ・デ・クーバの夕日。

サンタ・イフェニア墓地

ひさびさにまともなものを食べる気がする晩御飯

この日は、晩御飯を少し奮発して、レストラン的なお店に入ってみました。なんとかサンティアゴ・デ・クーバまで来ることができたお祝いです。向かったのは、旧市街にある「ラ・テラサ(La Terraza)」。

『地球の歩き方』には、

“地元キューバ人に人気。豊富なメニューはいずれも30CUP(約120円)~40CUP(約160円)でCUC払いも可。フローズンレモネード10CUP(約40円)をぜひ”

とありましたが、料金は完全旅行者向け。地元のキューバ人は一人もいらっしゃらず、お客さんは、旅行者ばかりでした。

私がオーダーしたお魚のムニエルみたいなお料理は、6CUC(約700円)。サラダが1CUC(約110円)。

サンチアゴ・デ・クーバ

味付けは、シンプルに塩コショウ。何のお魚かわかりませんが、脂がのっていておいしかったです。

レモネードは1CUC(約110円)でした。

サンチアゴ・デ・クーバ

ものすごくお腹がいっぱいになりました。贅沢したなあ。明日からはまた、20円くらいで買えるピザを食べることにします。

さあ楽しい楽しいキューバ滞在も、残すところあと2日となりました。本日も最後まで読んでくださってありがとうございます。ではまた明日。

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