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2016-02-29

できあがった落とし穴に蓋をする瞬間って最高にドキドキするよね

落とし穴

落とし穴。なんと魅力的な言葉でしょう。トラップ、引っ掛け、謀略。仕掛ける側に立てるなら、これほど魅力的な言葉はありません。もちろん仕掛けられるほうはたまったもんじゃないと思います。

幼いころ、落とし穴を作った思い出はありますか? 都会育ちのシティ・ボーイ、シティ・ガールのみなさんは、そんなものを作った経験はないかもしれません。しかし私の地元は山口のド田舎。とりあえず名前だけ書いとけば郵便物が届くような地域です。どこでもお好きなところに心ゆくまで作って楽しんでくださいね、と言わんばかりの、落とし穴堀り放題な恵まれた環境で育ちました。

そんなある日、本かアニメか、まあ何かしら架空のお話に影響を受けたんでしょうね。私は唐突に落とし穴を作ってやろうと思い立ちます。近所に住む幼馴染をさそって、はじめての落とし穴作りにチャレンジするわけです。田舎=年寄りの巣窟ですから、近所には数えきれないくらいのお年寄りが生息しています。悪ふざけで落とし穴なんか作ってじーさまばーさまが落ちたらシャレにならない。ただ、子供と言うのは恐ろしいもので、加減というものを知りません。

例にもれず私たちも、自宅から大きなシャベルなんか持ち出して意気揚々と落とし穴作りを開始します。いやいやほんと、年寄り勢が落ちでもしたらとんでもないことになるから…。しかしそこは私。「土が柔らかいほうが穴を掘りやすいだろう」という浅はかな考えで、まったく人通りのない友達の家の裏にある畑のすみっこに狙いを定めてしまいます。

昔から夢中になるとまわりが見えなくなる性格でしたので、一心不乱に穴掘り作業に没頭しました。誰かがここに落ちることを想像してニヤニヤしながら黙々と手を動かす二人の子供。気持ち悪いですね。こいつら死体でも埋めるつもりなんじゃねーかと思うほどの必死さ。

そうして、今思うと子供が作ったにしては立派な、まぁまぁの大きさの穴が出来上がり、大興奮でブルーシートをかけました。さらにその上に、土や落ち葉をかぶせます。本格度で言うとけっこう容赦ない大きさの、立派な落とし穴の完成。あのときのワクワク感は今でも忘れられません。沸き上がるドーパミンアドレナリン。楽しくて楽しくてしょうがない状態です。

ただ、問題はそのポジション。年寄りはおろか、大人も子供も、誰の導線にもかすらない位置に落とし穴を構えてスタンバイしてみても、誰も落ちるはずがありません。待てど暮らせど誰も来ない。しびれを切らした我々は、仕方なくわざわざ友達の親を連れてきて「ここ歩いてみて」とお願いします。サイズのわりに雑なカモフラージュ。唐突に敷かれたブルーシートはどう見ても怪しい。まぎれもない落とし穴が、そこにはある。

その後どうなったかは想像に難くないと思います。人んちの裏に勝手に大きな穴を掘ったあげく、さらにはそこに落ちてみせよと言う。そりゃ怒るわ。友達と2人、泣きながら穴を埋めたのも、今となってはいい思い出です。


ファーストチャレンジでは、あえなく失敗に終わった落とし穴製作ですが、私ももう32歳。東京という大都会に巧みに仕掛けられた幾多の落とし穴を経験し、少しはハートも強くなりました。そんな私が小学校低学年の悪ガキと同じ過ちを繰り返すわけがありません。今回私が蓋をしたのは、あの頃のような稚拙で無意味な落とし穴ではありません。

どんな落とし穴に蓋をしたのか。それはこのブログの「about Fashion」です。この広い世界の中で、誰一人として気づかなかったと思いますが、Home画面に画像付きで表示されるカテゴリーから「about Fashion」を外して、「旅の準備」に差し替えました。

Home画像

今やHomeページだけ見ると、普通の旅行系ブログですね。

Home画像

私のサイトをご覧になった方で、不思議に思われた方も多いと思います。この人、何がしたいんだろう。旅行のこと書きたいのか、ファッションこと書きたいのか、どっちかにしなよ、と。


ブログを始めようと思ったときに考えました。せっかくブログをやるんだから、たくさんの人を集めたい。いろんな人と関わりたい。コミュニケーションの手段としてのブログにしよう! そしてあわよくば、お金も集めたい。実際は、開始早々「そんなもの最初からなかった」と言わんばかりにコメントボックスを閉鎖して、“コミュニケーションの手段”とやらをあっさり放棄するわけですが。心にもなく掲げた「人とのつながり」の陰から見え隠れする露骨なお金儲け。そのために、まず決めるべきはブログのテーマ。世界一周をきっかけに始めるわけですから、最初に候補として挙がるのは「旅」。でもすぐに気づきます。「旅だけじゃ限界があるな」と。この先私が行く外国は、どっちかというとニッチでマイナーなエリアです。たくさんの人がこぞって検索するような人気の高いキーワードは出てこない可能性が高い。

それから、ブログ村「世界一周」カテゴリーでランキング上位を狙うにしても、あのすごいブログの数々を見てると、どうやらかなり難しそうだ。彼らと読者を取り合うのは賢明ではない…。そこで思いついたのが「ファッション」です。定期的に更新が必要なブログ運営ですから、ある程度の専門知識があって、さらに楽しんで書いていけるテーマじゃないと続きません。私がそれなりに意味のある内容の記事を継続して書いていけそうなジャンルはこのくらいしか思いつきませんでした。

アクセスが集まらなかったら、どっちか切って、1カテゴリーにしぼればいいか

そんな軽い気持ちで暫定的にサイトの方向性を決め、『The used key is always bright.』という旅行にもファッションにも直接関係ないあやふやなタイトルにします。デザインも、すっきりとシンプルに、なるべく中身に影響しないテンプレートを買いました。いい意味でどっちつかず。悪くない。

とりあえず、2カテゴリーを同列に配置してブログをスタート。運営方針なんてものはあんまり深く考えていませんでしたが、蓋を開けてみると、GoogleやYhaoo! などの検索エンジン経由で私のサイトを訪問してくださる方は、思った以上に「ファッション」カテゴリーが多い。むしろ、ほとんどが「ファッション」目当てだと言っても過言ではありません。


正直、ファッション記事のほうがページ製作にかかる時間はぐっと少なくてすみます。旅行系はどうしてもいろいろ調べたりするから時間がかかる。丸一日かけて作った旅行ページより、さくっと数時間で作ったファッションページのほうに人が集まる。この事実を前にして、思いました。「ってゆうかさー、みんなファッション、ファッション言うけどさー、こっちとしては旅行ページも見てほしいわけ。ほんと一生懸命調べて丁寧に作ってんだからさー。うちのWiMAXどんだけ電波悪いと思ってんの!? ほんっと、ブツブツブツブツ切れるんだから。それでも何回も接続しなおして必死でググって記事にまとめてんだよ。もうさー、世の中の女子、どんだけファッションモンスターだよ」(ほぼWiMAXへの不満)。そして、今後のサイトの方向性について真剣に検討を開始。しかし、私は真剣に考えれば考えるほど、ふざけた方向に思考が寄って行ってしまう傾向があります。ちゃんと考えなくちゃと思った末に導き出した結論。

「ファッション見たさにやってきた女子に、イタズラをしかけてやろう。」(性的な意味じゃなく)

通勤中のファッションモンスター。手持無沙汰で何気なく検索して見にきたファッションページ。「ふーん、海外の人こんなコーディネートしてるんだー。へぇ~」。スクロール、スクロール、スクロール。「ん…!? このブログ書いてる人、今アフリカにいんの!? は? 何やってんの? バカなの?

今まで知らなかった“旅”という新しい世界。よくわからない人がよくわからないことをやっていて、でもなんだか楽しそう。海外スナップまとめを見に来たつもりがつい他のページも気になっちゃう。なぜなら通勤中、暇だから。そして、知らなかったことを知るっていうのは刺激的でしょ!


ブログアフェリエイトにおいて、あたかも広告じゃないかのようリンクを配置して、クリックしたら広告だった。これは規約違反です。ブログ運営においては、「ファッションブログっぽいから見に来てみたけど全然ファッションのこと書いてない」「見ても全然参考にならない」。これだとなんか詐欺に近い。だから、私はファッションの記事も一生懸命書くし、旅行関連の記事もしっかり投稿しよう。ここへきて、やっとサイトの方向性が定まりました。

そこから必死で記事の執筆を開始。やっと目標にしていた「ファッションカテゴリーで100記事」くらいに達しました。(ちょっと足りてないけど)。なんとなく理想の形になった。そして本日はうるう年(4年に1度)しか発現しない謎の日。なんとなく、暦の落とし穴的な感じです。せっかくなので、この日に落とし穴封印の儀式を執り行いました。

ファッション記事を読み終わって「Home」ボタンをクリックしたら、そこはもうの世界。ファッションのファの字もない、世界のどこかの未知の場所です。嫌でも目に入る旅行情報。抜け出せないアリジゴク。Home画面に来たら最後、もうファッションワールドに戻る術はありません。あ、ちゃんと一か所だけあります。ここ!

Home画像

とはいえ全体的にファッションカテゴリーに戻れるボタンをものすごく少なくしてあります。帰宅難民と化したファッションモンスターたちはどうなるか? そう、一度このサイトに入ってきたら、もう旅情報を見るしかありません(いや、興味なくてブラウザ閉じられちゃったらそこで試合終了なんですけどね)。

こうして集められたファッションモンスターが、ふとした拍子にニッチなアフリカ情報を目にし、興味を持ってしまったら…。さらにそこから旅に目覚め、バックパッカーやります! みたいなことになったら…。なんかこうわくわくしませんか? もちろん、日本中の全女子が会社を辞めて世界一周に行けばいいのになんて、そこまで大それたことを考えているわけではありません。あたりまえだ。そんな人ごく少数派。当然、旅行に一切興味がない人だっているだろうし、アフリカの僻地よりハワイやグアムが好きな人だっているでしょう。このブログがぜんぜんハマらないかもしれない。でももしかしたらハマるかもしれない。「ん? 面白いじゃん」ってなったら最高です。

っていうか別に旅じゃなくてもいい。頭のおかしい旅ブロガーがいて、行動の意味はよく理解できないけど、でもちょっと楽しそう。そしてなんだか必死であがいている。それを見て「私も何かやってみようかな」とか「悩んでたあの件、やっぱチャレンジしてみようかな」とか、ファッションモンスターのほんの0.0001%でも、そういうポジティブな考えになっていったら、それはしてやったり! です。私の勝ちだ。


誰かに多大な影響を与えたい、とかそういう偉そうなことを思っているわけじゃなくって、ただの悪ふざけっていうか他愛もないイタズラです(性的な意味じゃなく)。数日たったら埋もれていくこの投稿を運よく読むことができた方はラッキーですね。秘密を知ってしまったみなさんは、言ってみれば仕掛ける側共犯者ですから、今後この落とし穴がどんな成長を遂げていくのか温かく見守っていてください。そして、海外のおしゃれさんのスナップを見に来たつもりが、ついこのページをクリックしてしまったファッションモンスターのみなさん、ぜひ旅行関連も楽しんでいってくださいね。本日も、私の悪ふざけに最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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